-もっと大きな壺といつものうつわ- 綻びを力に変えて : 尾形アツシ個展

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尾形アツシさんの大規模な個展がKaikai Kiki Galleryで行われているという事を知り、これは見ておかないといけないなと思い伺いました。

尾形さんの器は過去にいくつか拝見したことがありましたが、実は今まで購入に至ったことがありません。作風や形はすごく好みなのですが、何かこう器の部分が強すぎるというのか、生活に近すぎるようなところが購入に至らなかった理由かもしれません。ただ、今回の個展は全くそんな考えををひっくり返された展示内容。土から器を生み出したい尾形さんに対して、村上隆氏が規格外に大きな壺を依頼するという凄い内容。

巨大な壺を作る場合、小さな器と同じような土で作る事はリスクが大きい為基本的には行いません。しかしあくまでも器にこだわる尾形さんは、普段使う土をベースに巨大な壺を焼き上げます。それは非常に困難で試行錯誤の連続だったはずです。作り方もそうですが同じ物でも巨大になれば物が持つ本質すらも変わってくる為、そこでも迷いはあったかと思います。

そんな巨大な壺と対面した瞬間これはオブジェや立体作品ではなく、あくまでも器の世界にとどまっている、何としても留まりたいんだなと。尾形さん自身の強いポリシーの様なモノを感じます。

しかし、その一方で大きな器を取り囲むように展示された小さな器がまるで巨大な壺に従う眷属のように見えます。そこには人が立ち入ることのできない独立した器の世界がありました。生活の器の体を成しながら、違う器の世界が存在しています。

もうこんな世界を生み出されてしまうとたまりません。炭化焼成で焼かれた黒い鉢に魅せられてしまいお持ち帰りです。この巨大な壺が生み出された事により、小さな器への今までの見方が変えられてしまいました。

工芸は生活と密接に結びついてはいますが、生み出されたモノは人の世界と切り離され一つの個として独立します。どれだけ優しい人の生活の中にあっても独立しているのでは?というのが個人的な持論です。そんな個の世界を強烈に魅せられた素晴らしい展示でした。

 

-もっと大きな壺といつものうつわ-
綻びを力に変えて
尾形アツシ
2017年11月25日– 2017年12月20日

出典:カイカイキキギャラリー http://gallery-kaikaikiki.com/

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コメント

  1. FA1792 より:

    素晴らしいレビューありがとうございます!本当その通りですね!

    1. 三好 哲平 より:

      コメントまでいただき光栄です。自分なりになぜこの個展に心を奪われるのかを考えてみました。

  2. 松本武明 より:

    素晴らしいレビューでした。ずうずうしいですが、僕もそれを言いたかったという感じです。

    1. 三好 哲平 より:

      こんな若輩者のレビューにコメント頂け、さらにお褒めの言葉とは誠に恐縮です。自分の言葉で表現する事の大切さをうつわノートのブログからもたくさん学ばせて頂いております。ありがとうございます!

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