粉青掻落扁壺を観る。

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器には歴史や背景を大切にして作られた物があり、それらを読み取る事は作り手の意図を理解する材料になります。

まずは感性で向き合うことが素敵ですが、少し文脈を考えながら鑑賞するのもとても面白い、そう思わせてくれるのが光藤佐さんの器です。

今回は光藤佐さんの作る粉青掻落牡丹文扁壺を一つずつ整理しながら観てみようと思います。

目次

  • 光藤佐さんの粉青掻落牡丹文扁壺を観る
  • へんこの形
  • 生きているかのような牡丹文
  • 歴史との繋がり
  • 想像しながら観る

光藤佐さんの粉青掻落牡丹文扁壺を観る。
ふんせいかきおとしぼたんもんへんこ

粉青(ふんせい)と呼ばれる器は粉青沙器(ふんせいさき)や粉粧灰青沙器(ふんしょうかいせいさき)とも呼ばれる陶磁器の一種です。
鉄分の多い陶土に白化粧を掛け、施釉したもので高麗青磁という韓国の古陶が原型になっていると言われています。

日本だと三島と呼ばれる器もその一種ですね。

光藤佐の器
光藤佐:粉青掻落扁壺

へんこの形

ボール型を挟んで潰したかのような特徴的なフォルムは、扁壺(へんこ)と呼ばれる形の壺です。

元は携帯用の酒壺として使われていましたが、独特な形は花器や置物などとして広く使われました。いくつかの成型方法がありますが、光藤さんは二枚のお皿を合わせるようにして形を作ります。

この独特な形が面白く、花器としてはもちろんの事そのまま並べてもとても様になります。

光藤佐の器
光藤佐:粉青掻落扁壺

生きているかのような牡丹文

壺全体に描かれた柄は牡丹文。
掻き落としという技法で表現されています。掻き落としは素地に化粧土や釉薬を掛けた後、削りながら図案を表現する技法です。まるで、生き物のように生き生きと描かれた牡丹文は今にも動き出しそうでユニークです。
牡丹は百花の王とも呼ばれ、優雅で富を象徴する花として工芸品の模様にはよく使われます。

粉青掻落扁壺
光藤佐:粉青掻落扁壺

歴史との繋がり

この扁壺のモチーフにあるのは朝鮮半島で繁栄した李氏朝鮮時代の古陶がベースにあります。15世紀に李氏朝鮮で作られたものを参考にしながら観るとよくわかります。
下の3作品は美術館に所蔵されている15世紀~16世紀の粉青沙器扁壺です。
どの作品も力強くどっしりとした形と、掻き落としで描かれた伸びやかな図案が特徴です。

五島美術館所蔵/粉青白地掻落牡丹文扁壺
五島美術館所蔵/粉青白地掻落牡丹文扁壺 出典:http://www.gotoh-museum.or.jp/collection/col_11/03059_001.html

 

根津美術館所蔵/粉青沙器牡丹文扁壺
根津美術館所蔵/粉青沙器牡丹文扁壺 出典:http://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/detail.php?id=41200

 

三星美術館 Leeum/粉青掻落牡丹文扁壷
三星美術館 Leeum/粉青掻落牡丹文扁壷
出典:http://leeum.samsungfoundation.org/html_jpn/exhibition/exhibition_view.asp

想像しながら観る

古陶に通じる光藤さんの扁壺は忠実な形の再現を目指したのではなく、当時の器が持つ雰囲気や生命力を求めたように見えます。
様々な作風で器を生みだした当時の陶工はいったいどんな人たちだったのか?どんな生活をしていたのか?
技術的なことはもちろん、さらにその奥の生き方までも表現する事を求めているように感じます。

歴史の流れを断ち切ることなく流れの中に身を置き、今の器を作る。
それはこの時代にしか作ることのできない唯一無二の器です。

この扁壺を見ていると、光藤さんの生き方や歩んできた道がまるで当時の陶工そのものに思えてきます。

 

光藤佐:粉青掻落扁壺

光藤佐さんの器はこちらよりご覧いただけます。

サイズ:w18cm h19.6cm
※薪窯焼成の為、1点ずつ風合いが違います。
 色味や風合い等、掲載写真とは異なるケースもございますので、予めご了承くださいませ。
 (お届け前に風合いなどのご確認希望ございましたらお気軽にお問い合わせください)

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